田北看護専門学校 教職員倫理指針

倫理指針を作成するにあたって

田北看護専門学校は「仁愛の精神を基盤に学生の能力を尊重し、国際的視野を持った豊かな人間性を養い、時代の変化に対応でき、看護の発展に貢献できる有能な人材を育成する」という教育理念を掲げている。そして教育目的として「豊かな人間性を養い、看護に必要な基礎的知識・技術・態度を修得し、専門職業人として広く社会に貢献できる看護師を育成する」とあり、その目的を達成するために5つの教育目標が設定されている。その1つである「生命の尊厳を守り、人格を尊重できる態度を養う」ためには、学生自身に倫理的能力が必要とされる。それは、多様な価値観を受容し、倫理原則や倫理的価値観を用いた判断能力である。さらに、倫理的な感性も大切となり、その感性を養うためには、理想的なモデルの存在が必要である。
従って、教職員自身が学生の理想的な倫理的モデルの存在となり、教職員の行動を律するためにも、田北看護専門学校としての教職員倫理指針を作成することとした。
※教職員とは、学校長・副学校長・副学校長補佐・教科主任・実習主任・専任教員・非常勤講師とする。

倫理指針作成においての考え方

看護教育の倫理指針作成において、普遍的倫理原則(自律・善行・無害・正義・忠誠・真実)を根本として考えていくことは自明であるが、人間の情動への注目が欠けているという批判もある(1998 サラT.フライ)。また、看護教育は、権威的で訓練による行動変容を求める行動主義のカリキュラムから、ヒューマニスト的・教育的カリキュラムへと転換されてきた(1999 安酸史子)。そこで、看護実践者を育成する看護学校においては、学生の情動に対しても着眼されなければならず、看護実践のための倫理的概念(擁護・責任/責務・協力・ケアリング)の適用も必要と考えた。この2つの要素を兼ね備えているものは、看護師の倫理綱領であり、この条文をもとに、看護教育における倫理指針の作成にあたることとした。

  1. 教職員は、人間の生命、人間としての尊厳及び権利を尊重する。
  2. 教職員は、対象となる学生に対して、公平に教育を行う。
  3. 教職員は、学生に対しケアリングの姿勢で関わり、信頼関係を築き、相互作用のもとで教育を行う。
  4. 教職員は、学生の自律を尊重しつつ、自律性の発達を促すように努める。
  5. 教職員は、守秘義務を遵守し、個人情報の保護に努めると共に、これを他者と共有する場合は適切な判断のもとに行う。
  6. 教職員は、学生への教育が阻害されているときや危険にさらされているときは、学生を保護し、安全を確保する。
  7. 教職員は、自己の責任と能力を的確に認識し、実施した教育について個人としての責任をもつ。
  8. 教職員は、常に継続学習による能力の維持・開発に努める。
  9. 教職員は、他の教職員及び実習施設の関係者とともに協働して教育を提供する。
  10. 教職員は、より質の高い教育を行うために教育者自身の健康の保持増進に努める。
  11. 教職員は、社会の人々の信頼を得るように、個人としての品行を常に高く維持する。

参考文献

  • サラT.フライ:インターナショナルナーシングレビューVol.21 No5,1998.
  • 小山眞理子:看護教育の原理と歴史,医学書院,2003.
  • 小島操子:Quality Nursing Vol.4 No.1,1998.
  • 安酸史子:ケアリングカリキュラム,医学書院,1999.
  • 武井麻子:感情と看護,医学書院,2001.
  • 苅谷剛彦・伊藤茂樹・油谷佐和子他:学校臨床社会学,放送大学大学院教材,2003.
  • 杉森みど里:看護教育学,医学書院,1990.
  • 新井郁男:教育経営論,放送大学大学院教材,2004.
  • 東京医科大学看護専門学校:学生のための『看護者の倫理綱領』,プチナース,照林社.

PageTop